納竿の釣り


 

HP冷やかしのメールを貰ったので、どっか行かん?とメールを返すと、

土曜日なら・・・の返事。

T谷にしたいとオイラが言うと、そんなとこいくのは嫌だと。

で、しゃぁないから、言うことを聞く事にした。

納竿は、やはりこの人と釣りたかった。

テンポの合うミミズ餌釣りだからねぇ。

しかし、彼はオイラと行ったら釣れ無い

というジンクスがあるとボヤくのだ。申し訳ないなぁ。

多分、オイラのテンポに合わせることに気を使いすぎて

釣りに集中できないからに違いない。

釣りってそんなもんだから。

なんとかジンクスを吹き飛ばしたい。今のままでは

まっこと、しょう、ぞうくその悪い相棒ぜよ・・・

と高知風に言われても仕方がないのだ。

それには、自分の行動がもっと上達して、

同行者に精神的負担をかけないようにしなければいかん!

と、今になって考えたが、今年は終った。

来年に向けての課題だ。

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出来れば3時に出発したい!というKさんをなだめすかして、4時で手を打ってもらった。

実際は朝2時過ぎには目が覚めてしまった。

なんてったって、最終釣行だもの。

いつものコンビニへ寄って食料を調達する。

今朝はなんだか寒いなあ。こないだまでアチくてたまらなかったのに・・・

自然の移ろい。

なんて味わい深いのだ。

向こうは何処の町やろうか?

朝の4時半すぎぢゃぁ、新聞配達の人たちが起き上がる頃だよな。

東の空には上弦の月が掛かっていた。

どうして、釣り人って、こんなに早くから釣りに行くんだろね?

もっとゆっくりで良いのとちゃうんやろうか?

今日は本流の釣りだ。現地に着いても、やっぱり寒いし、風も吹いている。

下半身ずぶぬれスタイルにしようか・・・ウェーダーを履こうか・・・と悩むが

ここは防寒対策をした方が正解ではないかという結論に達し、ズボンの上

から、ウェーダーを履いた。靴の紐を締めると、不思議と気合が入る。

水量は少なくない。案外爆釣かもしれないとの意見。そうだといいなぁ・・・

確かに、小さな流れからも反応がある。

でも、釣れて来るのは、いかにも魚籠に入れがたいサイズばかりだ。

しばらく釣り上がるが、ん・・・・・ん。

クンッとアタリがあって、水中でヒラを打つアマゴが・・・

つぎの瞬間、急に竿先が軽くなる・・・バラシ!

オイラの直感では22cmくらいだ。

今日一番のアタリはこれだった。情けない。

小物ばかりで嫌になって、支流へ行こう!ということになった。

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天候は大変素晴らしく、景色に見とれてしまった。

小さい支流の入り口で運試しと竿を出すが、掛からない。

Kさんもアタラズで、なかなか今日の魚は渋い。

水温が急激に低下したのと、水が澄んでいて

相手からも○見えで、警戒されるのが原因だろう。

幾つか巻いた堰堤で、よ〜いドンで公平に、公平に仕掛けを放り込む。

Kさんにアタリだっ!!いいなぁ〜。

アタッた瞬間、大きいぞと叫ぶ彼。

しかし、上がってきたのは23cmくらいだったかな?でも、体高が異常にあって、

美しい迫力を持った個体だった。

Kさん、「どうします?川へ戻しますか?」

銀「おっ!出血してんぢゃない?戻すんなら、オイラの魚籠に戻してよ」

なっさけないなぁ〜

でも、こんなの返したくない!!

こういう顔されて、ニンマリやられると、悔しくないのはなぜだろう。

Kさんの笑顔には本当に癒されるものがある。

いつまでも、この笑顔が絶えないことを祈りたい。

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確か、この堰堤だった?

もう、徳島山中はオータム・モードだ。

魚釣りなんかするよりも、私たちを見てよ!

と、山の木立が語りかけてくる。

オイラだってこんなだぜ!

と、岩を洗うH2Oがささやく。

水は粘性を感じさせながら

美しい縞模様を足元で描いていた。

こういうのって彫金に活かせないかな?

多分、無理。

自然の造形は人智の及ばざるところあり。

歩いていると、左岸から支流が。

こういうのを見ると、すぐにそっちへ足が向くのがKさんの癖だ。

何か心を騒がせるものがあるのだろう。

やはり彼の本質は源流師なのかもれない。

上流二又の渓は、出会い特有の顔をしていた。

10年前は土砂が流れ込んでおらずもっと、綺麗だったとKさん。

奈良の小坪谷も入り口はこんな顔だったことを思い出す。

この10年で自然にとって何が変わったんだろう。

でも、自然ってものは、何億年という単位で生きている。

必ず元に戻る日が来るだろう。

Kさん、今年は本当にお世話になりました。

来期はジンクスを飛ばす釣りをしますから、

またよろしく。


2008年10月01日 水曜日

 

 

   
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