ゴールデン・ウィークの釣り 久しぶりにKさんとの釣行をお願いした。 夕べは一杯やった勢いでちゃっちゃと眠るべく、セッセと日本酒を呷った。最近、旨いなぁ〜と思っているのが、司牡丹酒造の「永田農法純米酒」とかラベルに貼ってある酒だ。一昨日の囲碁大会で友人が調達してきた酒が朝になると残ってたので、ちゃっかり頂いて置いたものだ。まだ2合くらいビンの底に残っていた。 ご存知、永田農法ってのは植物をいぢめ抜いて育てることによって、潜在的に持っていた力に溢れた製品に仕立て上げるやりかたのことですが、これによって生育したお米から作った純米酒です。 室温で飲む!ヌル燗で飲む!いずれにの飲み方にもピッタリの近頃にない旨い酒と思って飲んでます。吟醸酒ではないので、値段がメチャ高いこともなく、コストパフォーマンスに優れたお酒と言えそう。 で、午前3時に目覚ましを合わせて布団にもぐりこんだのが、午後9時半頃だった。自分のこれまでの生活では最低7時間は睡眠を取りたい。特に明日のハードスケジュールを考えると、なおさらだ。すぐに寝始めたとしても、もう6時間半しか寝られない。さぁ〜早く眠ろう。 ところが、午後11時には目が覚めてしまった。水を飲みに立つ。午前1時半にはまた目が覚めた。次は2時半だ。あと30分だけでも良く寝ておこう。3時に目覚ましのスイッチを切って支度を始めた。どうも、睡眠が浅かった感じがするが、しゃぁないな。 4時にKさん宅で待ち合わせて祖谷へ向かう。ここから2時間掛けてKさんの得意のポイントを目指す。 吉野川を渡ったところにあるコンビニで水・食料・タバコの調達だ。遥かに暗いのだがデジカメではこうなってしまう。 小島峠をぐんぐん上っていくと、外気温はな〜んと?! たったの1度しかないぢゃないか!こりゃ寒い。こんな寒さだと魚の活性もあがらないだろうなと心配になる。 カーナビの下のディスプレイに時刻と外気温が表示されている。峠を越えて、谷筋を下って行った。カモシカが左手の杉林を走っていく。「あ”〜熊だぁ」とKさん。右手の山の中を日本鹿が横切る。動物はみな早起きなのだ。 いよいよ、祖谷川本流の出合いに出て、Kさんの取って置きのポイントに近づいたが、な〜んと朝6時前にすでにそのポイントは、徳島ナンバーの車で押さえられていたのだ!! さぁ、ここから迷走が始まった。あっちを覗き、こっちを覗くが、どうもポイントが定まらぬ。で、また一つの隠し沢へはいることになった。入り口は笹で覆われていて、果たしてこの奥に好ポイントがあるのかどうか?さっぱり判らぬ。 しかし、ここから今日の行動が始まったのである。最初の淵から釣り上がるもさっぱり魚信に出会わないのである。上流へどんどん上がって行くと、二又になった。右支流を釣り上がると滝が何段か続いていたが、それでも魚信はない。 と、オニギリの包み紙が落ちている。K氏が拾い上げて日付を確認すると、4月20日とあった。そうかぁ〜1週間前に誰かネコソギ族が釣りきってしまったと見える。ぜ〜んぜん駄目なんである。 かなり上まで行って、帰り道を探そうと左岸の杉林をぜーぜー言いながら這い上がる。杉林の中には間伐材を切り倒した切り株があり、それにはナンバーを打ったプレートが打ち付けられているところを見ると、この近くに作業道があるに違いないというのが、斜面を這い上がる理論的な根拠である。 だが、ついに作業道は発見できなかった!!仕方なく、今まで稼いだ標高を吐き出して、再び渓に戻った。ここからはしゃぁないから川通しの帰還となった。 K氏はオイラのと同じヘルメットを被っているのだが、ぜ〜んぜん別物だと威張る。なぜか?理由は”Gamakatasu”のワッペンが貼ってあるからだそうだ。おんなじ、ホームセンターで780円だったのに、ワッペンで威張られた!! ここの渓はこれにて完了。やはり水温が低すぎて魚の活性が落ちているのだ。あちこちで休みながら握り飯とお茶を胃袋に放り込んで、次なる渓を目指す。 ここも祖谷川の支流だが、入りやすい場所を選んで、安全第一の魚釣りだ。 Kさんの釣り方は一般渓流釣りの常識からすると、かなり外れているように思えるが、やはり根底は「山釣り」にあるのであろう。奈良の師匠の釣り方とは大いに違うのでああるが、彼のフィールドにはピッタリの釣りスタイルなのだ。 矢引きでピンポイントへ仕掛けを送り込む技は完成の域に達していて、決してポイントを外すことは無いのだった。それでも、今日は何度か大物を掛け損なう!!やはり喰いが渋いのは低い水温のせいとしか思えなかった。 それでも、チャンスを捉えては、何尾か釣り上げている。 24cmちょっとのアマゴ。いいなぁ〜。彼はこれもリリースするというから、一寸待ってよ!出血しているし、オイラの魚籠を救急車代わりにしたほうが良くないか?と思い、私の腰に巻いた魚籠で休んでもらうことにした。Kさんの魚籠は尺モノを入れるためにスペースを確保しているのだ。 この渓は堰堤が多い。で、堰堤下を探っては堰堤の巻きになる。 次の堰堤上へ降り立つステップまでたどり着けば、一安心だ。でも、このステップが腐っていたら!落下骨折だ。飯山に住むターザン薫さんは、こうしたステップは前向きに降りていくものだと力説していた。なぜなら、万一、ステップが腐っていたら前方に向かって跳ベるからで、後ろ向きに下りるより安全だとのこと。しかし、それはT.Kaoruだからこそ出来る芸当で、常人には及ばぬ発想だ。 さあ、ここから頑張るぞ!!という意気込みが足元の波紋によって確認できるではないか?! ここも次の堰堤に至るまでの流れでは逃げ回るチビアマゴが散見されたし、次の堰堤下では結構大きなアマゴが針掛りするものの、釣り上げるには至らず、遂に納竿の堰堤となってしまった。午後3時を大きく回り、夕日に近い光線が鈍く谷に差し込んでいた。 これは杏の花では無いだろうか?可憐だ。今日も楽しい釣りが出来ました。
|
||||||
銀次郎釣話トップへ
|
||||||