ここは天国


 この川へ初めて来たとき、車を停めたあたりの風情が素晴らしくて、釣りしたくをしているときに足が震えたのを覚えている。勝手に私だけ天国の川と名づけている。天国って綺麗だって言うぢゃないですか?おそらく、こんなところではないかなぁ〜。

以来、何度目かの釣行になるが、毎回釣果は芳しくない。でも景色が良ければそうそう苦にならぬ。

で、今年になって爺Bと何処へ行こうか?と相談したとき、まっさきにここへ行きたい!と決めてしまった。しかも、この渓の下流では、尺モノが上がったと聞いては、幼稚さを売りにしている爺Gの心もときめこうというものだ。今回は、下流へ行こう!ということにした。欲深い爺共だわい。

橋のたもとから容易に入渓できるので、こりゃあかんかなぁ〜と思った。だってこれだけ渓相がよくて入りやすいとなれば、誰が爺のためにおいて置いてくれるものか!結構水量豊かで、渡渉に手間取る。

この下にも大きな淵があって、まずそこから釣り始めるが音沙汰なし。川の両岸には猫柳や棘のいっぱいあるツル性の植物が生えていて、岸を歩くのも厄介だ。

しか〜し。釣れないなぁ。魚信が全く感じられないのはどういうわけだろうか?

結論1.場所が悪い。

結論2.うでが悪い。

結論3.餌が悪い。

対岸を爺Bも苦労して歩いているようだ。釣れたのかなぁ・・・

結局、ここでも大きなウグイが釣れただけで、期待のアマちゃんは出てこなかった。とうとう猫柳と茨に捕まって退却の憂き目に会う。

どうも、下流は無理だとなって、昼飯を食べてから上流へ向かう。杉林が出てきて、ようやく渓流の雰囲気担ってきたアタリから再入渓。

こんな風情になってきたら、流石にアタリが出始めた。爺コンビにも少しは神様が微笑んだというわけだが、そうすると、もう帰宅時間が迫っていた。

暖かくなったらまた来るぞ!と心に決めて天国から舞い戻った。


 

   
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