修業の谷 ここは十津川上流域の山岳信仰の地だ。川沿いに自然歩道が作られていて、夏休みの子供連れの客も多い。 渓は比較的なだらかで、お爺の釣師にはピッタリである。 渓流釣りを始めた5年ほど前、初めてこの渓を知り、そこに住む師匠やらお仲間のご指導よろしきを得て、今の自分の釣りの原型が出来たように思っている。 相も変わらず、迷いの釣りであるため時々、初心に帰ることが必要なのだと考えている。 この地域は最近世界遺産に登録された。そのためか初めて訪れた頃に比べると、なんだか観光地化が進んできたような気もしないではないが、早朝にはどこからともなく、ほら貝がなり始め、それに呼応するかのごとくまた別の場所からほら貝が響き渡る。 しばらくそんなほら貝を聞くうちに、太鼓がそれに加わって、深い山肌に吸い込まれるようだ。 山修業の人たちが泊まる宿がいくつもあり、それぞれにひいきのお客がわらじを脱いでいた。 宿には温泉(源泉は26℃で循環方式を採用)があって、疲労とか筋肉痛に効くと書かれていた。 到着した夜は、仲間達との会食になった。それぞれに釣りへの思い入れは深く聞いていて勉強になる。 翌朝は4時からごそごそし始める。山の修業ならいざ知らず、川修業に早くから起き出す人も無く、町はまだ睡眠中だ。テンカラ仕掛けを竿に結んで振るが、あっという間に蜘蛛の巣に絡め取られた。渓に棲む蜘蛛の糸は、極めて堅牢で、流石の太糸でも粘りつかれて、トラブル続きだ。名手は、これを避ける技も当然身につけているから、難なく振れるのだろう。餌釣りに変更した。しかし、ここぞというポイントは釣り切られて魚信はない。浅瀬では新子が時々掛かるが、対象にはならないので、さっさと場所変えだ。 こんなところや、 こんなところで、 良い型の魚が出た。 大きいヤツ二尾は帰宅した翌日、いつもお世話になってる I さんに試食を願って 届けに行った。そしたら、大きなスイカをお土産に貰ってしまった!! アマゴでスイカを釣ってしまったやうで申しわけない。 今回の旅は、どっちかというと魚釣りが目的ではなかったので、渓へ入ったのは1回だけ。 つり姫さんのご案内で、十津川本流に掛かる谷瀬の吊り橋を渡りに出掛けた。
全長約300メートル、高さ50メートル余りとあって、揺れるとこわい!
つり姫城には、広大なベランダが谷に向かって突き出している。中央右には露天風呂があり、 写真の一番手前の白いものは、なんとプール! 満天の星空の元で、露天風呂に入ってビアを飲む。う〜む・・・ウラヤマシイ・・・ 今度、露天風呂へ入れて貰いに行こうっと。 緑色のフェンス越にご主人作の黒スイカの皮を投げると最高の気分!! 下に住む狸がこれを受け止めて食べているのだとか。 おっもしろいぢゃないの。 黒スイカってメチャクチャ高いんだってね。 甘くて美味しかったです。 なにからなにまで、ありがとうございました。
天川村に戻って、翌朝は自然歩道を散歩だ。 良く整備された杉林の中を歩く。 横には清流が流れていて、しまった!やっぱり竿持ってくるんだったと悔やんでももう遅い。 なんだか釣れそうな・・・ 昨日はこんなところで、出た〜!だった。多分、いけると思う。 ん〜ん。もう。 宿へ帰ってくる途中、湧き水を陶器の鉢に受けて、中にはビー玉が一杯はいってる。 わ〜。涼しそうだなぁという感じ。 なんせ、標高高いから日差しのしたでも汗が出ない。 数時間かけて高松へ帰ってみると、やっぱり蒸し風呂のような気温に包まれたが、 それも夏だ。 今回はとってもスマートな釣りが出来た。それが嬉しい。
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