イソップは釣師だったのでは?


ヘタな釣師だからと、自ら諦めの境地に落ち込んで、ゆるい渓ばかり通うようになった。

渓流釣りの世界において、ヘタとは、視力が弱く、運動神経も劣悪で、そのために

釣技がヘタというのは判りやすいが、それ以前の話として渓流魚のいるところへ

自分の体を運ぶのがヘタなことがまず第一にあげられるのではないか?

渓魚の居つくところへ自分の体をじょうずに運ぶには?

・体力(足のふくらはぎなんか、平たい棍棒みたいな?

片足だけで全体重を平気で支えて屈伸できる?)

・耐力(長時間の沢歩き、道なき道を歩きとおす力かな?

多少のタバコによる肺への負担なんかハジク力?

多少の酒による心筋への負担なんかハジク力?)

・胆力(多少の危険も、経験とオノレの技で克服するハラ?)

・知力(山の地形と地図を冷静にマッピングできる頭?)

  ・精神力(カン・根性・度胸・土下座?)

こういった精神的、肉体的な総合力が充実してないといけないが、

持って生まれた素質や、育った環境によって大いに左右されるような気がする。

 

オイラはこのすべてが超三流以下なんだから困ったもんだ。

加齢によって、もう超四流の段位も近づいてきた。

要するに立派な渓流魚が住み着いている谷へは出掛けられないことを意味するのぢゃ。

 

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で、今日もゆくゆくユル渓へ。

薄暗い谷で、大体こんなところにはアマゴはいないとしたもんだ。

アマゴって比較的明るいところが好きみたいだ。

ところが、とある、大きな流れのあるところで、ひょっとしてと

仕掛けを送り込むと。

ぐい〜んと引き込む明瞭なアタリ。

こういうんでないとオイラの運動神経では釣れないのだ。

ところが、その瞬間だった。左手に痛烈な痛みが走った!!

ハリで刺したのと同じような。

家に帰ってみると指が腫れていた。

なんぢゃろうか?

多分、山のアリだったのではなかろうか?

それにしても、なんでアリンコがオイラに食いつくのよ?

でも、竿を持つ手ではなかったので、合わせた竿は放さなかった。

それが良かったのか・・・・

オイラには珍しい、良い型のアマゴが掛かっていた!!

ふと、思ったね。

実はイソップって人は釣り師ではなかったか?と。

魚を掛けた瞬間にアリンコに刺されて、釣り逃した体験から、鳩とアリンコの童話を書いた。

そのアリは昔、川に落ちておぼれている時に、トラウトが柳の葉っぱを

噛みとって川に流して助けたことがあったのだ。

イソップがトラウトを掛けたときに、アリンコはイソップの利き指を思いっきり

噛んだのである。あわてたイソップ先生は竿をリールごと渓へ放り投げてしまった。

トラウトは大喜びで、元のおうちへ帰りましたとさ。

余りの悔しさから寝られずに赤い目をして、

翌朝、冷静になって昨日のことを小編に仕立て上げたのかもしれない。

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でも、普通なら、アリンコはトラウトに喰われてしまったはずなのであるが、

そこがそれ、噺家のうまいところで、子供向けにやっちゃったんだよね。


2008年09月22日 月曜日

 

 

   
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