忍耐の釣り


今日の釣行は、実は一月近く前から決まっていた。本格ひらら焼きパーティをやろう!というお誘いがあったときからだ。

アマゴが釣れなきゃ、アマゴレスのひらら焼きになることが前提として掲げられた。しかし、8月のど真ん中、しかもこの渇水期に果たして、食料の調達が出来るのか?オイラは無責任だから、アマゴレスのひらら焼きでもいいさ・・・と気楽に考えていた。

でも、一流の釣師はそんな屁垂れたことは考えない。で、金曜日の夜からの出発となった。小島峠越えで現地着が23時頃である。着くとベッドメーキング?を済ませて一杯やる。ああだこうだと会話が弾んでいるうちに土曜日の午前1時を過ぎてしまった。

夜中には寒さで寝袋にもぐりこみ、4時には叩き起こされて、朝飯を掻きこむ。

師匠は大物狙いで下流、オイラは小物狙いで上流へと分かれた。なんだかんだと時間が過ぎて、初めて竿を振ったのは午前6時を回っていたのではないだろうか・・・

すぐに小型のアマゴが掛かったあと、20cmほどの岩魚が掛かる。これは案外いけるかもしれないと思ったのが甘かった。すぐ後にまた、小型アマゴが掛かったが、さぁ、それからがてんで駄目だった。

渓相は抜群。気合入りまくるが一向に釣れぬ・・・

 しばらく遡上したが、とうとう我慢も限界だ。渓を変えることにした。去年来た事のある渓だ。ここは最初は釣りにならぬと言われていたが、時間も無い。午後2時までの釣りなので、下のほうから釣りあがることにした。しか〜しである。ここはさっきの渓よりもっと酷かった。

どこからも魚信が無いのだ。いったいどうしたんだろうか?2時間ほど上がって超小型リリースサイズがぽち〜ぽち釣れるだけ・・・もうやめだ。ここで本日の釣りは終わりとした。

でも、清流に青葉が映えて、まるで黄金のようにきらめく様は、下界ではありえない光景だ。

師匠は、オイラがかったるい釣りをしてるのを予想したのだろうか。歩きに歩いて十数尾の食料をしっかりとGET!してくれた。ありがたいことではないか。オイラはチビアマゴを入れて4尾のみ!!


さあ、いよいよ、ひらら焼きパーティだ。

パーティ会場へ到着するも、一体どこで?みたいに森閑としているではないか?パーティ主催者に問いあわせると自炊場で支度しているという。

あたりをグルグル見渡せば、おや?屋根つきの炊事場で薪の煙が上がっているではないか。ここだ!

で、ひらら焼きはといえば、ほうれ、この通り立派な青石の上に、味噌でプールが作られていて、その中にジャガイモ、こんにゃく、豆腐などが、お互いに肩をぶつけあって、ワイワイ言いながらひしめいているではないか?

なんでも、朝の11時に火入れをして、薪をくべながらジックリと石を暖めてあるそうだ。

アマゴを焼いてから、味噌プールに入れると型崩れがない。

そこへ、釣ってきたアマゴも参加する。

味噌は自家製のものに、市販の最高の味噌を合わせてある。

ジャガイモや、こんにゃくが味噌に合ってうま〜い!

兎に角、味噌が別格官幣大社のように美味いのだ。

アマゴもめちゃくちゃ美味い。ビアがガンガン空になる。お酒も旨いぞ。

 

たらふく食べて人間ひらら焼きになった人も居るぞ。

朝から支度をして頂いた方々です。

お忙しいのに、本当にありがとうございました。

しばらくは、何も食べなくてもいいくらいに頂きました。

その後風呂に入り、またぞろ部屋で乾杯をやり直して、

比較的早く就寝しました。昨夜の寝不足が解消されました。


翌朝はゆっくりめのスタートだ。5時40分に朝風呂を浴びにいく。

7時半に朝飯。

10時過ぎに宿を出た。

今日は初めての谷、緊張する。

兎に角、エンテイだ。

見上げると、カサにかかって堰堤群がのしかかってくる。

オイラはいやだなぁ〜こういうところ。

なるべく堰堤は避けて流れのあるところを攻めるが・・・

香川のしんちゃんの話では、上のほうになれば比較的緩やかという

ことなので、その言葉を信じて上へ、上へと上がっていった。

川を遡行するのは無理と見て、渓沿いのガレ場をしばらく登ることにしたが、これがキツイ、アツイ。

ガラガラした岩場に辟易しながら、大体こんなところかな?という見当をつけて渓へ入る。

小型アマゴが結構いるが、腕が悪くて釣れない。代わりに足がツレタ〜。

この渓の写真を撮る余裕が無いほど、爺には辛い谷だった。

香川のしんちゃんのいう比較的なだらかって?これがぁ?

ガレ場から空を見上げれば、そこには徳島県の豪快な夏空が広がる。

暑いけどやっぱ、夏っていいな。

今回は本当に耐え忍ぶ釣りだった。


2008年08月14日 木曜日

 

 

 

   
 

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