三人連れ釣行


三人連れの釣行は、あまりやったことが無い。どうしても一つの渓を三人で遡上するのは、なんとなく無理気味なのかなと思うからか。

でも、かなりヤバそうなところへ行く、特に源流攻めなどでは大勢でパーティを組んでいるから、そうでもないのかなぁ〜。彼らは山を征服する、あるいは魚止めを確認するといった魚釣りとはちょっと違う目的を持ってるから、良いんだろう。

今日はテンカラ師匠 I さんと、その弟子爺Bだ。爺Bはキャンプ釣行で、I 師匠のテンカラによる大漁旗に目が眩んでしまい、一気にテンカラへの傾斜を強めている。

テンカラなら餌は買わんで良い。持ち物も最小限で済む。ラインなんか滅多なことで無くならないし、強いから木の枝に掛かってもバチンと引っ張ればハリスと毛鉤さえ交換するだけですむ。それに良く釣れる!!

そうくりゃ、爺Bが、この手を逃すものか!と目を血走らせて駆けつけた、今日の特訓釣大会だ。

朝はユックリ目。今日は小雨との予報で、それならユックリでも毛鉤を追うだろうとの師匠のご託宣。オイラは餌釣りで通すことにした。

目的地に着いたのが9時半くらいだったろうか・・・車止めから約500メートルほど歩いて、最初の大きな堰堤下に入り込んだ。最初にオイラの支度が早く、テンカラをプールめがけて投げ込んだ。あっちでバシャ、こっちでパシャと毛鉤めがけてアマゴが飛びつくが、食べ方が下手なのかハリに掛からずに水中に没するのがほとんどだ。

ここで、師匠のテンカラ特訓が始まったので、オイラは堰堤を巻くことにした。上がる途中にまだ沢山のワラビが目を出していたので、そいつらを摘んでは魚籠に放り込みながら上流を目指した。

ところどころで、アマゴらしい反応はあるものの、殆ど針に乗らない。雰囲気は良いのだが不漁・・・こんなことってよくあるぢゃないですか?ねぇ。

やがて大きな淵に落ち込む滝に出た。

この滝壺を釣らずして、何も言えん・・・で、おっかなびっくり、滑りながら滝壺近くへ這い寄った。ゴム張りの大オモリをハリスにしがみつかせて、ボインと投げ込むが・・・全く魚信がない!!ほんとかよ?みたいな結果であった。釣りつくされたとしか考えようが無かった。

この滝は、二段以上あってさらに上流に続いているから、魚止めとは思えないが、ここまでなんぜ、一人で来てしまったので、心配をかけてもイケナイと思い、引き返すことにした。「師匠とその弟子」は、下流へ行ったのかもしれない。さっぱり追って来る気配が無いからだ。

最初の堰堤から車止めまで戻ったが、「師匠とその弟子」の姿が無い。さては、まだやってるな!と思い、再びこの渓の堰堤まで攻めなおすことにして、再入渓。

こういうところでは必ず反応するのだが、うまく釣れてくれない。やっぱり、スレているんだなぁ。

シダの若葉が美しい渓だった。こりゃあかんわと思い、再び車まで帰ると、今度は「師匠とその弟子」が都合よく食事中だったので、これに合流して腹ごしらえをした。

午後からは渓変えだ。同じ本流の別支流を探ることになった。ここでも、テンカラ特訓組と別行動をとることにした。だからといって、オイラがテンカラを卒業したわけでもなんでもなく、未熟な弟子の一人であることにいささかも変わりはないのだが、今日は特に餌釣りにコダワッタのかもしれなかった。

だって、悔しいぢゃないの?長年やってきた餌釣りを、そんなにポイと捨てることが。いくらテンカラが釣れたからといって、いきなりテンカラ党になるのは御免だ!みたいな意地があった。

で、オイラだけスレからしたアマゴしか居ない別支流を目指した、午後四時〜四時半には道に出ていることにして。

4時半まで苦闘するも、雨が降り始め渓は徐々に暗さを増してきた。こうなると簡単にはアマゴなんて釣れないよなぁ〜。経験的にアマゴって明るいところに居るもんだもの。

結局、この日は午前中の2尾だけ。殆どボウズ状態で完了した。

一方のテンカラ組では、弟子爺Bが初アマゴを仕留めたらしい。後日、師匠から送って貰った写真には満面笑みに満ちた爺Bの顔があった。

 爺Bさん、おめでとう!!テンカラ初日でアマゴの顔を拝めることは、滅多に無いとおもうぜぇ〜。

師匠は流石に数尾のアマゴを釣ったようだった。魚の処理をする師匠。もう、かなり暗かったな。

この後風呂に入り食堂でビアが飲めたのは三人釣行の大きなメリットだったのかもしれなかった。

やはり、餌釣り、毛鉤釣いずれも季節、時合いなどが深く関係するようだ。そうでなければ、祖谷の名人がなぜ毛鉤釣と餌釣りの双方を今でも続けているのか、説明がつかないではないか?


2008年05月31日 土曜日

 

   
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