初めての渓


あまご釣りって何でこんなにのめり込むんだろうか・・・ロクに寝てないのに朝5時に起きることを夢の中で決めていた自分に呆れてしまう。

まだ、湿り気を含んだウェーダーと靴を車に放り込んで、家人の妨げにならぬよう、こっそり冷蔵庫から餌と保冷材を取り出した。冷たいなぁ。これを車に運ぶとき、いつも手が切れるような痛みを覚える。

今日は3.6mの竿しか持って行けない。前回カンシャク玉が破裂して、木に掛かった仕掛けを引きちぎったときに竿先が折れてしまったからだ。いいさ。今日の沢は長い仕掛けでは、またぞろ、枝の餌になってしまうに違いない。

現地まで2時間。5時に出れば7時。ヘッドランプもいらんだろ。今日はシンプルな釣りに徹するぞ!!なにしろ初めて竿を出す渓だ。釣れなくてもともとさ。

桃の節句だというのに、昨日は雪だった・・・入渓するまでに頭から雪をかぶってしまった。枝も雪化粧。短い竿だから、普段より余計に体を低くして接近した。

泡の切れ目へ投げたいけれど、届かないんだねぇ、これが。仕方なく岩に這いつくばって、投げた。餌はブドウ虫。流れに浮いて次第に下流へと漂うのが見えた。瞬間、それを追う魚影が目に入る!アワセ!!

可愛い娘!それにしても痩せてるなぁとリリース。笹の葉陰に消えていった。引きも弱い。今の時期、アマゴを釣るって正しいことなんだろうか?と疑念が湧く。恨めしいような目つきをしていない。岩魚の目みたいに可愛い目をしていた。

自分のアマゴ釣りの経験なんて、ほんの2年にしかならないけれど、この川の美しさはどうだ!こんな場所に居る自分が不思議でならない。キザな言い方ですが、神様!ありがとう!という言葉が自然に出てくる。

渓の岩を乗り越えられる足を持って冷たい水にも濡れずに美しい渓を歩ける今の私・・・これに感謝せずして何に感謝すべきでしょう!

渓流釣りの魅力って、その渓へ自分を運び得ることの喜びに他ならないのではないだろうか。何尾釣ったとか、何cmの魚を釣ったとか言うことは、刹那的な喜びであるには違いないにせよ、喜びの本質は、こうした誰も居ない、誰もあんまり近づかない危なっかしい場所へ我一人立って、いまや失われつつある美しい川にどっぷり漬かる非日常性を満喫していることにあるのではないだろうか?

そうであるなら、3日も空けずに渓へ入り込むというのは、その本質に外れることなのかもしれない。てなこと思いながらも、次の流れ出しに仕掛けを放り込むときの期待感は何ともいえないものがある。

早朝の不機嫌が治った空に渓流が映える。

この先に堰堤があったので、引き返して更に上流へ。

上流では、このくらいのが釣れた。

結局は7尾が掛かったことになる。数から言えば、話にならないだろうし、大きさも20cmちょっと以下のアマゴばかりだけど、ンなことはどうでもよかった。

近くにはシイタケ栽培場があって、雪をかぶったシイタケがひっそりと大きくなろうとしていました。

雪化粧のシイタケ

暫く、アマゴ釣りのペースを落とそうと思い始めた銀次郎でした。

反省点:どうも、アマゴ釣りというものは、足で釣るものらしいことが、判っていなかった。また、短い竿でも長竿と同じように釣る事ができるし、枝に掛かったりしないぶん、面倒でなくて良いことも理解できた。

                                               Saturday, 2006-03-04


写真館のトップへ戻る

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system