鈴 その1

友人から鈴作ってよ!と言われて作れませんでは、男が廃る。で、初めてのベルに挑戦する銀次郎でした。これはその1です。

恥ずかしながら、銀次郎。これまでに鈴を作ることって考えもしなかったですね。でも鈴は結構可愛らしいテーマだし、面白そうだなぁと思いました。これまで彫金細工で作ってきたものには、物理的な機能を求められるものといえば、ライターのケースか、片口の焼き物の蓋、それに煙草入れといったところで、あとは身に付ける装飾品ばかり。機能として「音」を求められたのには、そうかっ!!その手があったか!!という驚きと、ためらいでした。で、ぐずぐずして、一ヶ月もたってしまったんですなぁ。これではプロとは言えん!反省しきりです。

なんだかだと言いながら、この鈴も新しいご主人様のところへ飛んでいきました。

 

太鼓型の鈴を最初に作りました。

@silver950の板から直径3cmの円筒を作ります。円筒には音を出すための切り込みを入れ、更に両側に3.5m程度の穴を開けて、音の出を良くします。A円筒の直径に合わせた円板を切り出して、片方には刻印、他方にはメバルの打ち出しをロウ付けしてから、円筒に封をするように両側からロウ付けします。もちろん、このときに鈴の中へ音を立てるための銀のカタマリを封印します。これを入れ損なうとタイヘンですよ。B紐通しのリングをロウ付けして、あとは専ら黙って研磨作業を黙々と丸1日こなせば完成に近づきますが、これを燻そうかどうしょうかと悩んでいます。

 

円筒部分の切り込みと音抜きの穴の具合です。打ち出しの厚みも判りますね?

裏板はGINJIROが還暦であることを示す年齢。最近の奴は大抵スペースがあれば入れてます。何年前に作ったかが直ぐわかるんですねぇ。

このタイプの鈴に関して言えば、ロウ付けをするので、銀が高熱にさらされて相当柔らかくなってしまうことが欠点です。従って、音質はどちらかというと低めの音で、カラカラといった感じの音になります。

それとかなり重量がかさんでしまい、何にこの鈴をつけるか、限定されてくるのも問題です。打ち出し部分は更に柔らかいので、乱暴な扱いをすると、凹んだり、傷ついたりしやすいので、これも用途限定の要因になります。

 

   
  作品集トップ   HOME   NEXT
inserted by FC2 system