RINGS

 

 
  指輪ってのはアクセサリの基本ですかな?しかし、なかなかに難しいものがあります。最近はワックスで原型を作って、それをバンバン量産できる時代になりましたから、地金を切り出して、丸くしてロー付けして・・・という工程を踏まなくても結構複雑なものが出来るんです。しかし、どうしてもワックスでは出来ないものもあるんですね。槌目をワックスで作るのは大変だろうし・・・  
                     
   

木目金(モクメガネ)の層を生かしたリング(銀、銅、黒味銅、四分一の4種類)です。

木目金は薄い金属片を重ね熱と圧力で、金属間に合金を生じさせたもの。加工することで、多様な模様を生み出せる。秋田県に端を発するが、今は海外で普及しているとさえいえる。日本の閉鎖的な技法伝承法では、隠蔽されがちである。大いに技術公開を望みたい。

薄く圧延した、木目金にタガネで凹凸を作り、凸部分をヤスリ取れば、紋様が出現する。これを緑青液で煮込んで着色する。一般的にリングなど、日常生活で表面が磨耗する機会が多いと、すぐ保護膜が取れてしまう。で、木目金に含まれる各金属は自然に、変色していく。はじめは生の金属色が出るが、やがて酸化された色になる。このように絶えずリングの色味が変化するのも面白い。

久しぶりの流水紋相聞鳥跡リング18K。思い出の多い方への納品となりました。

(July/12/2004)

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