友人が、この寒いサナカに、サカナを釣ってきた。結構な良型の鮎並(アイナメ)である。 JR新橋駅の西にある烏森神社を正面に見て、左手へ進むと路地沿いに「白梅(しらうめ)」という飲み屋がある。ここはイチゲンさんお断りなんて下らないことは言わない。前は、更に西のレンガ通りで瀬戸内小魚/季節料理として営業していたが、10数年前に今の場所へ移ってきた。自慢料理は広島から空輸で届いた瀬戸内海の活魚である。オコゼの薄作り、鯛の荒煮、そしてアイナメの刺身だ。今頃はカキも素晴らしいに違いない。 友人がプレゼントしてくれたアイナメは、白梅のアイナメを強烈に思い出させる。こいつはひょっとして頑張れば刺身になると見た。なるべく大きいのを2尾選んで、3枚におろす。皮を引いて片身の真ん中へ刺身包丁を入れて小骨をベルト状にして取り去る。それを3つくらいに切ってみた。皮を引いた身は薄い黄色が映え、フグに似た白さである。白梅のアイナメと同じだ!! 備前の徳利に、貰い物の吟醸酒をトクトクと一杯になるまで入れて、コタツの上に置いた。盃は志野のぐい飲みがよかろう。志野盃に一杯になるまで酒を注ぐ。小皿にワサビを出して、アイナメの造りに乗せる。酒をぐびっと呷ってから、アイナメに少し醤油をつけて口に放り込んだ。 本当はアイナメの刺身を食べると素晴らしいJazzを思い出すというのが正しい表現なのである。例の作家に会う機会がもしあったらそう言ってみよう。
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