直島

 


10月3日の朝になって、急に直島へ行ってみようか?!となった。

数日前に港の案内所で直島の案内ブローシュアを貰ってきてたのが、頭に引っかかってたせいもある。

直島っちゃ、ここ数年えれぇもてようで、小豆島なんか、

足元にも及ばない観光の島になっているのだそうだ。

なんでも著名な建築家、安藤忠夫さんが

総合プロデュースした美術館やら、ホテルがあって、

日本各地はおろか、世界の果てから、多くのお客が

くるわ来るわ、次から次から

ぞろぞろ、ぞろぞろと

言った風情だそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここ数日の雨が嘘のように晴れ上がった朝。

直島行きフェリーはめでたく出帆となる。

それにしても、懐かしい景色だ。

宇高連絡船が20年前姿を消すまでは、

桟橋で見送る人とテープで結ばれた連絡船上の人たちを引き剥がすようにして

船が出た後は、いつもこの景色なのだった。

中央に見えるビルはどうしょうもないし、

左手の白いビルも目障りだが、

これが20年を経て辿った高松という地方都市の姿なのだ。

瀬戸大橋ですら、

景観上は無いほうが瀬戸の海はもとより

美しいが、巨大橋の機能美は確かにあると思う。

一般のビルなどの人工物が美しいと思う人なんているのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小一時間の船旅で、直島が見えてきた。

港で人々を迎えるのは、このかぼちゃ!中には人が入れるほどの空間が

あって・・・・・

半身を乗り出して被写体になる人も居た。

内部は、こんな!

 

フェリーを降りて、地中美術館なるところへ向かう。

途中、本村地区という昔の表玄関の町を通過。

最後にここを散策した。

安藤忠夫さんが設計したという、この美術館。

なんとも・・・・

入り口で、新興宗教の教徒と見まがうような若者が早口で

この美術館の建造物からして、すべてが作品だから

手を触れてはいけない!だの、撮影は禁止だから

カメラそのものを持って入るな!だの、

なんだか、○×サティアンの視察みたいなことを言う。

まず、それで不愉快になる。

2000円也を払う。

坂道を登って左手にそれらしきコンクリート建築が・・・

とにかく、コンクリートの塊の中に

いろんなものが仕組まれている。

ポカンと空いた空間にはモネの睡蓮の絵。

確かに、面白い作りの見世物もあるが、

なんだか、あんまり感心しないうちにおしまいに

なってしまった。

総体的に、新しく村おこしという名目で始まった

新興宗教なのかなぁ〜と思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オイラ、祖谷の見事な自然美の大岩、小岩にしょっちゅう

直接手を触れてよじ登ったり、お尻で滑り降りたりしてる。

でも、誰も触っちゃいけないとか、これは自然という神様が

作ったものですから、写真に撮っちゃイケナイ!

な〜んて言われたことは無い。

コンクリートだって、無数の堰堤っていうコンクリート造形には

事欠かないぞ!

こんな自然美に触れて、お土産に美しいアマゴっていう

お魚まで毎回下さって、

年間の入渓料が吉野川ならびにその支流が徳島県を

流れている限り、10,000円だなんて、ちょっとおかしくないかい?

どっちがどうなんだろ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼ごはんは、昔の知人が開いている店に行って食べました。

とても清潔なCAFEで、久しぶりに知人が働く姿を見て、

とても嬉しく思いました。

さぁ〜。次は本村地区の家プロジェクトってのを見るぞ〜。

港で貰った地図を広げると、

歯医者の家とか、碁会所だとか・・・

こりゃ面白そうだ!と

勢い込んで碁会所に入ろうとすると、

家の前におじさんが立ってて、

ここへはいるんはお金がいるんよ!と。

ん?と銀。

碁会所で何人くらい打ってるんですか?

碁盤は何面?

で、いくら?

と立て続けに質問した。

んにゃ〜。碁会所う〜ても、誰もおらんがな。とおじさん。

ん?

誰もおらんでなんで碁会所なんかな〜。

んにゃ〜。碁会所う〜ても、昔やっとったということやがな。とおじさん。

チョイ、待ってぇな。

オイラは昔碁会所の席亭やっとたんやで。

んで、幾らいるんな?と銀。

1000円や。とおじさん。

や〜めた。と銀。

碁も打てんで、なんで1000円よ!

結局、押し問答の挙句、門から中をちょっと覗いて

入らなかった。

要するに、昔いろんな商売をやってた本村地区の古い

民家を手を入れて、そこを見学するという仕掛けだと

言うことが判ったのだ。

とうとう、民家は何処も入らずに、この町を散策することにした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

港へ行ってみるとちょっとした岸から釣りをしてるおじさん、おばさんが居た。

何が釣れるんな?と銀。

さよりやなとおじさん。

嬉しいね!これが釣りだ。

おばさんにも良く掛かるが、ちょいと油断したのかフグの子が掛かった。

さらに油断が続き、指先をフグに噛まれたようだ。

わち〜と叫びながらフグと戯れるおばちゃん。

お婆さんも必死になって、魚釣りだ。

これでも今晩のオカズくらいは釣れるんよ〜とお婆ちゃん。

これが島の人たちの飾らぬ生活なんだ。

○×サティアンの教徒とは違うところに生活の実感を得た。

さらに、町を散策してるうちに、おやと思うものに気づいた。

それは・・・・

家を飾るノレンだ。

しかも、それぞれのデザインが自由闊達で、豪快だ。

これには大いに心を慰められた。

ノレン特集で、直島物語を終ろう。

以下ご覧あれ。

まるで、古田織部のデザインを思わせる。

これは誰がデザインして、

どういう流通を辿ったものなのか?

 

 

町おこしも良い。でも、これだけ海外の人たちが来るようになったとしたら、ちょっと、海外の観光地、

美術館のあり方、案内の仕方、料金など見渡す必要があるのではないだろうか?

こんなことばかりしていては、やがて妙な名前の鳥が啼きはじめると、啼きやまなくなるよ。


   tidbitトップへ                 NEXT

inserted by FC2 system