アマゴの燻製


2度目のアマゴの燻製作りに挑戦した。

1回目は今年の真夏で、燻製器の内部温度が上がってしまい、その管理に四苦八苦したが、今回は周囲の気温も下がっていて、楽に作ることができた。

作り方は簡単だが、なんとなく手間が掛かる。

今回のアマゴも徳島県の養殖場から仕入れたもので、大きさは殆どが尺オーバーである。

重量も1尾当たり、300gは優に超えている。

このくらい大きくなると燻製器の中で処理中に落っこちてしまうことを心配しなければならない。

S字の金属フックをあごに刺している程度では確実に落下する。

従って、凧糸を二重にして、口の中へ通してから潜らせて、しっかりとホールドする。

これでも数時間の燻製作業にやっとこ、さっとこ耐えられる程度の強度しかない。

但し、アマゴの口の中に指を入れるとき、気をつけないと鋭い歯で指を切ることがあります。

1.ソミュール液(*1)を作って、そこへ白ワイン200cc入れてアマゴを漬け込む。約半日冷蔵庫。

  (*1):水2L/塩400g/砂糖100g/ハーブ(コショウ、ローリエ、セージ、タイムなど)を沸騰させて冷ます。

2.引っ張り出して、水で洗う。

  大抵は流水で3時間程度塩抜きすると書かれているが、あまり長い時間水にさらすと、塩が完璧に抜けてしまって、ダラシない味になるからご用心。今回は丁寧に洗いながら、アマゴの体から出てくるヌメリを取  り去る作業程度でちょうど良い塩加減となりました。

3.キッチン・ペーパーで水気をふき取り、冷蔵庫で乾燥すること半日。

  もっと外気温が下がれば網に入れて天日干しにするのが最高のようだが、まだまだ暑かったので衛生面を考慮しました。

4.燻製器に入れて加熱・燻蒸開始。

  最初はヒッコリーの燻材のバー1本を半分程度使って、3時間燻蒸する。この状態で温度は50度にキープできた。 9月の終わりごろの気温としては涼しめだったから10月か11月頃に燻製を作るのが最適ではないかと思う。

  次に、金属トレイにサクラの燻材を入れて、カセット・コンロに乗せて2時間ほど熱燻した。このときの燻製器内部温度は70度〜75度だった。これも外気温との関連が強いので、燻製を作る時期というものが大切な気がします。

5.燻製器から出して、一晩冷蔵庫で落ち着かせる。

  さあ、後は食べるのを楽しみに、心の準備をするだけだ。

       

燻製は、良く切れるナイフで適当な厚さに切る。

ナイフが切れないと身がボロつくのは刺身なんかと違って水分が少なくなっているからだ。

薄く切った玉ねぎに、ケーパー、オリーブの実などを沿え、今回は徳島から送ってもらったスダチを絞った。

グリーン・アスパラを軽く茹でたものをあわせても旨かろうと思う。

これにあう酒はやっぱり白ワインだ。

最近はフランスものよりも、カリフォルニア・ワイン、あるいはオーストラリアのワインなんかの方が肩が凝らなくて沢山呑める。

9月の夕方、まだ明るさの残る中で、軽めのJAZZなど流して、親しい友人と庭先のオンボロなテーブルにアンティークなワイングラスを傾けながら、こいつを突付くのは人生至上の一刻であるに違いない。

なお、アマゴと言う魚は、天然モノと養殖モノの味の差は殆どないというのが定説だ。

鮎が天然と養殖で値段10倍、味100倍の差があると言われるのと好対照だ。

是非、至上の一刻をお持ち下さい!!


   
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