カブの楽しみ


カブといっても株ぢゃない。

Hondaのスーパーカブです。

日経のHPを見てたら、スーパーカブの50周年記念号が

発売になったとあった。

50周年なぁ・・・

登場したのはオイラが中学生の頃だ。

それで色々調べてたら、このバイクは世界で6,000万台を

販売したという記述があった。

凄い数ぢゃないか?

頭の中でポチッとランプが灯ったね。

この油の高い時期を凌ぐにはこれっきゃないと。

燃費はリッターあたり110kmとある。

話半分としても、60kmはいけるだろう。

電卓叩いて、計算してみると、大雑把にみて、15,000km走れば

バイクの代金は今の車の燃費と比べて元が取れる!!

15,000kmなんて、ワケナイ話だ。

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近くのバイク屋へ早速出かけた。

「カブの50周年記念号欲しいんだけど・・・」と銀

「普通のカブとリトル・カブがありますが・・・」と店のお兄さん

「普通のでいいんですが、いつ頃買えますか?」

「え〜と。今発注して、10月の終わりには乗れますよ」

「ええっ!そんなに待つの?それぢゃぁなぁ」

「中古なら、うちにもありますよ。それなら今日でも。」

「それにしてください!!」

ということで、1,800km走行の中古カブを買った。

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カブの楽しさを箇条書きにすると次のようである。

1.兎にも角にも燃費の良さには驚嘆する。

セルフで500円玉を放り込んで給油すると、

ちゃりちゃり〜んと良い音がして、

お釣りが返って来る楽しさは喩え様も無い。

2.世界一のバイクだという、誇らしさを感じることが出来る。

なんたって、6000万台も売れたのだから。

数え切れないほどマーケットからのフィードバックを得て、

どれほどの改造がなされて

今日のモデルになったのか・・・

ポルシェやベンツなど遠く及ばない。

3.まるで生き物を扱っているような錯覚を覚える。

ちょっとキツイ坂道になると、エンジンの回転が落ちてくる。

ギアを一段下げる前に、体を車体にくっつけて、

前傾姿勢をとると、少しづつではあるが、

元気を回復し始める。

それくらい、空気抵抗に敏感なバイクなのだ。

最小限の動力で、最大限の機能を発揮するように作られている。

4.最小限の動力で最大限の用途が広がっていくのが体験できる。

隣町まで25km。これまでランクルをガラガラ言わせながら行ってた。

渓流へ行くにもガラガラ言わせてた。

ちょっとした果物、野菜を買うにも空港近くの産直市場までガラガラ行ってた。

ミミズの熊太郎も釣具屋から、ガラガラに乗ってお帰りだった。

これがみ〜んな、カブの仕事になった。

その気になれば、八十八番札所巡りも出来るだろう。

九州の湯布院温泉だって、フェリーにちょこんと乗せてもらえば・・・

5.どこででも、すぐに止まれるフットワークの軽さがある。

大きなバイクに乗ると、走り始めたら中々止まる気にはならないものだ。

これはバイクに乗る方ならどなたも経験済みではないだろうか?

ところが、カブだと、どこででもすぐ止まりたくなるのが不思議だ。

ぱっと停めて、ちゃかっと写真を写すなんていいぢゃないですか?

6.細い道でも苦にならない。

細い山道に入ると対向車が来ないかと不安になる。

今の日本、どこまで山に入っても工事、工事だ。

ダンプや生コン車が山道を我が物顔で爆走。

カブなら、どんな怪物が来ようが、ちょこっと山の

凹みに身を隠せば化け物を難なくかわせるよ。

7.省エネ・環境問題に貢献しているという実感がある。

8.何で自動車なのか?という疑問が湧いてきて頭が柔軟になる。

日本人の頭の固さが浮き彫りになるのである。

四輪車は歴史的に見れば、裕福さのシンボルだった。

昭和30年代は家庭に車のあるウチは少なかった。

ドライブというのが一つの贅沢として存在した時代。

一所懸命に働いて、車を買う、あるいは車が買える、

そんな状態に達するのが昭和40年代の夢として

掲げられたからこそ、必死になって若者は働いたの

では無かったか?

そこから基本的に日本人の車に対する感覚が抜け出ていない

のではないだろうか?

ゴルフをやるようになると、互いに車自慢を始めるらしい。

アイツのより、もっと良い車でゴルフに出掛けたい・・・

アイツはクラウンだ、オイラは無理してでも

ベンツが欲しい!

なんちゅう、みっともない心根かちゅうの。

走ってる車を見ると、一人しか乗ってない車が結構多い。

殆どの一人乗りの車はカブで代用可能だと思う。

東京なんて街ではカブに限定するくらいの規制を徹底したら、

とかく問題をかもす○×都知事のカブも大いに上がると思うがな。

9.本当のおしゃれ、粋というものが味わえる。

時代は、8に書いたところに来ている。まさに、未来を先取りする

思想を身にまとい、颯爽と風を切って走る。空気の匂いをじかに

嗅ぎ取りながら、しかもバイクという乗り物が持つ一般性を

失っていない。まことに粋な乗り物ではないか?

吉野川の上でちょこっと停めてパノラマ写真を。


2008年09月19日 金曜日

 

   
 

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