-雑魚と呼ばれて-


里川にはいろんな魚が住んでいる。もっと上流へ行けば、鮎がいたり更に上へ行けばアマゴやヤマメ。最上流には岩魚が住んでいる。しかし、なんといっても田園風景に恵まれた里川の釣りは心なごむものがある。

ここにカワムツと呼ばれる魚がいる。魚の図鑑などでは、ヤマベ釣りやアマゴ釣りの際の外道的魚とされており、味もあまりよくないと書かれている。この魚大きくなると20cmを超えるものもたまに出くわす。

大型のものは、ぼそーっと浮きが沈むが、針にかかると結構な引きが楽しめる。下手をするとすぐに草の根へ逃げ込まれて、取り込むことができない。夏に産卵するようであるが、これを唐揚げにしておいて三杯酢に漬け込んで食べると実に美味なのである。一体誰がうまくないなどと決め込んだのか?

ヤマベはうまいが、カワムツはまずいというけれど、その差はオイラにはハッキリしないのである。

四月頃から11月頃まで、里川に住んで子育てをする、この魚をもっと皆さん見直してほしいと思います。やはり、掛かったときの引きの明瞭さが良いのではないだろうか?

アマゴよりよほどパンチのあるアタックぢゃないだろうか? とは言うものの、立派なアマゴを釣った経験が無いのでえらそうには言えません。餌はミミズかイクラだといわれているが、実はうどんをちぎっても釣れる雑食魚です。自分の釣りはこの魚を釣ることから始まったので、定期的にカワムツを釣りに里川へ出かける。

それにしてもかなりの清流にも、カワムツが住んでいて、そういう美しい川でアマゴか?!と思うとカワムツだったりして、落胆することもある。しかし、雑魚には雑魚の気概とでも言うべきものがあるのだ。引きの強さは女々しくないし、針にかかっても恨めしそうな眼差しをしない。そこへいくとアマゴ族はなんとも恨めしそうな目つきをする。旨くなんかなくたって、オイラはこの川で育ってここで死ぬんだい!といった気概が素晴らしい。

果たして人類の雑魚たる自分に彼らほどの気概があるのか?問われると、なんだか辛い気がするから情けない。

      これがカワムツ、一番上の奴は20cmはある。


  

   
 

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