-巻き海老の佃煮-
品川沖で取れた 車海老の子供をマキ海老と呼んだのは、もうずいぶんと昔の話なんだろう。いま、市場で買える車海老の子供は、日本の子供でなく、ほとんどが台湾近辺での養殖モノだそうだ。
で、どうした?ん?といわれると困ってしまうんだけど要するに小さい車海老を佃煮にしてしまおうという話。
マキ海老らしき車海老をなるべく沢山買ってくる。でも、1匹120円とかしちゃうと手が出にくいので、そう、1匹60円くらいのならまあ、なんつうか、オイラみたいな貧乏人でもたまには・・・・ということになる。
50匹だと、3,000円也ですな。それを水でよく洗って、酒2:醤油8の溶液(?)を作って、そいつを大きな鍋にいれて、海老ともどもグツグツと小さな火で煮詰めるだけの話。
時間にして約1時間半〜2時間といったところですかね。とにかく、焦げ付かないように時々なべの蓋を開けたりしながら、様子を見つめるのだ。やがて、カサカサの感じになって海老がこげ茶色と部分的に白茶色のシマが出たように煮えれば出来上がり。
簡単でしょう?
夏の暑い日、もう、連日35度になろうかなんて夏は、ホント食欲もくそもあったもんぢゃないぢゃないですか。夕べは夕べで超過勤務の後、ボンチと酒くらっちゃったから朝から、胸がつかえて飯もロクにとおらねぇや。参っちゃったな。という朝なんか、これをお茶漬けにするんだ。
少し大ぶりで厚手の茶碗にあまり熱くないご飯をゆったりと盛る。その上へクダンの海老の佃煮を巴形に乗せる。真ん中には、出来ればワサビなどを巴の中へ座らせるのだ。そして、海苔をちぎって、パラパラとふりかけたものへ、熱々の煎茶を急須からゆっくりと降り注ぐのである。
お茶をかけるときは、神様、仏様、今日も元気で働けますように!!と念じつつ、急須の尻をグルリン、グルリンと回しながら、海老を中心としてご飯全体に降りかけるのである。
さあ、おったまげちゃいけないよ。海老の佃煮から最高のダシがとろけ出て、体全体がキュウッと引き締まるのを感じるだろう。さあ、今日もがんばっぞ!!という気になるから不思議だ。
夏の最高のお茶漬けとして、忘れないでくださいね。
大きな寸胴鍋で煮込んでいますが、あとで2つの鍋に分けて作業しました。